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ファクタリングの手数料は、同じ100万円の売掛金でも契約の形によって大きく変わります。2社間なら相場8〜18%(手取り82〜92万円)、3社間なら相場2〜9%(手取り91〜98万円)。差額は最大で十数万円になります。この差は業者の善し悪しではなく、リスクを誰が負うかという構造から生まれています。構造を知らずに「最短即日」の文言だけで2社間を選ぶと、払わなくてよかったはずの手数料を払うことになります。
| 2社間 | 3社間 | |
|---|---|---|
| 登場人物 | あなたと業者の2者 | あなた・業者・売掛先の3者 |
| 売掛先への通知 | なし(知られない) | あり(債権譲渡の承諾が必要) |
| 入金の流れ | 売掛先→あなた→業者へ送金 | 売掛先→業者へ直接支払い |
| 手数料の相場 | 8〜18%程度 | 2〜9%程度 |
| スピード | 最短即日 | 数日〜1週間程度 |
※手数料は一般的な相場レンジです。実際の料率は売掛先の信用力・金額・継続利用の有無で変わります。
3社間では、売掛先が「この請求書の支払いは業者に直接行います」と承諾します。業者から見ると、売掛金が実在することを売掛先自身が認めており、回収も直接できるため、リスクは小さくなります。
2社間では売掛先が関与しません。業者はあなたの提出書類だけで売掛金の実在を判断し、さらに入金があなたの口座を経由するため、あなたが送金しないリスク(使い込みリスク)も負います。二重譲渡を防ぐために債権譲渡登記を求められることが多いのもこのためです。この上乗せ分が、8〜18%という手数料に表れています。
つまり「2社間の手数料が高い」のは業者が儲けすぎているからではなく、「取引先に知られない」という価値をあなたが手数料で買っている構造です。問うべきは「その秘匿は、差額の手数料を払う価値があるか」です。
手数料10%は、年利10%ではありません。「入金までの30日を立て替えるための費用が10%」です。同じ条件を1年間繰り返すと仮定して年率に引き直すと、10% × 365日 ÷ 30日 ≒ 年率122%相当。3社間の5%でも年率61%相当で、銀行融資(年1〜3%)とは桁が2つ違います。
この計算が示す結論はひとつで、ファクタリングは繰り返し使う手段ではないということです。入金と支払いの一度きりのズレを埋める応急手当と割り切り、2回目が見えた時点で公庫融資への借り換えや支払条件の交渉(取適法の60日ルールを使った交渉)に切り替えるべきです。
知られたくないなら2社間しか選べません。ただし「知られたくない」が思い込みでないかは一度疑う価値があります。2026年施行の取適法(改正下請法)で手形払いが禁止され支払サイトの適正化が進んだこともあり、売掛債権の活用自体は以前ほど特別視されなくなりつつあります。長い付き合いの売掛先であれば、事情を話して3社間の承諾を得るほうが、結果的に数十万円を守ることがあります。
3社間は売掛先の承諾手続きが挟まるため数日かかります。今日明日に資金が必要なら2社間、数日の余裕があるなら3社間から見積もりを取り、差額を見てから決めるのが合理的です。
連絡先の入力なし・営業電話は来ません。公庫融資や「調達しない」判定まで含めて中立に整理します。
通常の運用で業者から売掛先に通知が行くことはありません。ただし債権譲渡登記を行った場合、登記情報は誰でも閲覧可能なため、売掛先が能動的に調べれば知られる可能性はゼロではありません。登記不要の業者を選ぶことでこのリスクは下げられます。
使えます。ただし少額の売掛金は一般の業者に敬遠されがちなので、少額特化型(1万円台から買取可)の事業者を選ぶほうが話が早く、手数料も割高になりにくい傾向があります。